Gin Johannes Studio



建築家 ジン・ヨハネスの『フューチャー・フルーツ・ファーム&ティールーム』


4. Cafe Talk
フューチャー・システムズの新作。

私の師匠の一人、フューチャー・システムズがコンペで1等実施になりました。イタリアのフェラーリのエンゾ・フェラーリの生家を増改築する博物館だそうです。私の記憶では,彼は以前フェラーリのショールームを手がけたこともあり,今回は凄い巡り合わせのバッティング・プロジェクトとなりそうだ。フェラーリ個人が最新のフェラーリを越えてくれ,と言っているようである。ただし,車の機能と建築の機能では,オーガニック・デザインのアプローチが違うんでねーの?と言う疑問をどうクリアーしていくのかが見物であるところだ。




曲面にえぐられたガラスのエントランス・サーフェイスを見ていると,南青山にあるブティックMARNIのバックサイド・エントランスのきれいな曲面を彷彿させている。が,今回は規模が違う!いずれにせよ彼らが以前、模型ばっかりを作ってた時代に「これ建つのかよ?」と、毎回疑問と心配とメッセージだけを投げかけていた時代とは打って変わって「リアルに想像がつくことのできるクオリティーの高い質感がまた建つのだ」というメッセージに時代とともに質的変貌を遂げていることが伺える。ただし以前の,そのむちゃくちゃな自由曲面のアイディアとは出方が違ってきていて,これなら建っちゃうよ,という感も確かにあるのだが,そこはよく分析してみると内部空間に展開がある。青い空間の内部に曲面のえぐられたようなパーティションがある。それが大屋根の全体像から見ても,エントランス・キャノピーから見ても「両方で組」をなすような絶妙なバランスになっているのが解るだろう。仮にもしこれが、どちらかが欠けているプランであったならば,この相乗効果のオーガニック・プランにはなっていなかっただろう。それらが総じて,「単に形のみを提案しているプロジェクトではない」という印象を作り上げているともいえる。ヤン・カプリツキーよ!そうきたか!

       


Cafe Talk 過去のログ。
  • 丹波の森フェスティバル
  • 静波の海の家はちょっとセドリックっぽいか?
  • [Mini Chair]
  • 横浜フェリーターミナル
  • 新井さん
  • ロンドンのクリスマス、「京都のロンドン」のクリスマス
  • 竹山実先生の退官記念
  • renzo Oct.2003