Gin Johannes Studio
建築家 ジン・ヨハネスの『いちごの(フレイバー)カフェ』
京都精華大学へ年末に行ってきたことについてはもうだいぶ述べましたが、これはその続編です。結論から言えば、新井さん相当やってます。個人で切り盛りするにしては盛りだくさんの内容になってます。デザインも全体の階層がステップ・フロアーになっていて、狭さを感じさせないむしろ開放的な隙間による連続感ができています。部分的にアルミのデザインピースが空間にメリハリを与えています。斜めにぐさっとかなりかっこいいもんです。地下のギャラリーから上の方に見上げると1階の曲面加工されたテーブルのエッジが見えるのわかりますか?これがステップ・フロアーの部分で、こういった空間接続法が随所にとられている訳です。京都精華の学生たちもかなり興奮気味です。それで最上階の新井さんが寝ている住居部分なんですが、岩のステップを上って、つまりここでもステップ・フロアーなんですが、大ガラスのメイン・スペースに出ます。ロスから来たSCI-ARCの大の男たちがこんなにちっちゃくなって見えるんですよ、この天井高を見てください。そしてアルミの曲面の壁が階段室と最上部のバスルームを一気に、一面に、覆っています。その脇には絶版になったモーフォシス・チェアーが一台置いてありました。もちろんこれも新井さんの作品ですねえ。新井さんちょっとかっこ良すぎるんじゃない?と聞いたら、やっぱりかっこ良くないと、いけないんじゃないかって言ってました。クオリティーとセンスが迸った作品。ところでカフェで飲んでるSCI-ARCのグレッグ先生、彼はフランク・ゲーリーの神戸のフィッシュ・ダンスをはじめとする一連のプロジェクトのかなりキーパーソンでもあり日本通なんですが、今頃ロスへ戻ってSCI-ARCの学生達に約束していたロサンジェルス・フィルハーモニーのメイン・コンサートホールであるウォールト・ディズニー・コンサート・ホールの音響チェックに行ったことだろう。特別にSCI-ARCの学生だけに予約を入れたということで、先生達も閉め出し食らってのオーガナイズに、なぜか俺までかなりエキサイティングだ!というのも数週間前のABCテレビの最後のレポートにゲーリー本人が語ったのを観て、「ロスの文化的シンボルは住人のものになったんだ」と、ますます自信に満ちた全米ネットワークの主役をもやってのけてしまった気迫に触れて、今回はビルバオよりもっと凄いんだなと確信してしまった。と同時にシュワちゃんの知事のものでもあるんだから、それも感覚的にとらえると、意味不明で、すごみが増すなあ。やっぱアメリカは変だよなあ。