TKW2008-Architectural Alliance Workshop
建築合同ワークショップ2008

大阪近郊の各大学と東工大による毎年恒例のサマー・ワークショップ。
今年のサイトは滋賀県琵琶湖に浮かぶ島「沖島」です。チャーター船で渡ってリサーチしました。

そして今年のテーマは、島の暮らしのテリトリーを新たなマッピング(3D-2D)の手法に変換し、オペレーションをすることで出来てくる建築生成のあり方を突き上げろ!というものでした。

TKW2008-Architectural Alliance Workshop
建築合同ワークショップ2008

和歌山県串本町、奈良県天川村と続いて、通算8年間連続して行われている大阪近郊大学建築合同ワークショップ。今年のサイトは琵琶湖に浮かぶ島「沖島」です。島には300人以上の人が住み、漁業を中心に自給自足の生活をしています。一家に一艘の船があり、湖側に面したメインストリートと、山側に生活の為の路地が張り巡らされたプランとなっていて、日本の風景100選にも選ばれているそうです。独特の生活感が路上に溢れ出た、予想以上に高密度な集落でした。

ドローイング作業は、NPO「しゃくなげ学校」の協力により、元小学校の廃校を活用している場所で行われました。木造2階建ての洋風建築は予想以上に天井高があり、なかなか味わいのある建物でした。連日連夜、主に海外の情報を手掛かりに、日本向けのマッピングとフォールデイングとはどうあるべきか、の指導と実践を行いました。私はロンドンのAAスクールの出身、主催の幸家大郎はデトロイトのクランブルック出身ということもあり、10年以上微妙に変化して受け継がれてきたマッピングとフォールデイングの手法を分析し、更に近年のコンピューター言語を使用した半3次元の2次元マッピング(3D-2D)を参考作品として読み解き、最新の解釈を加えて日本向けにアレンジしました。このワークショップの趣旨により、基本は手描きによるアウトプットですが、サイトの分析に対して点による正確なプロットをもとに、記号によって脱属領化を実践しました。プロセスを通じて意味が衝突し、変遷し、生成していく様を皆体験できたと思います。特にローカルなサイトには小綺麗でハイパーな提案はリアリティーが乏しく、逆に「規模はしょぼいが、むちゃくちゃ頑張ってる路線」に活路を見出すべく、出来るだけ小さな漁具の置かれ方に至るまでを建築提案の構成密度とし、まとめすぎて意味をそぎ落とすのではない、複雑系の建築解答を目指しました。普段どうりに普通に取り組んでいるならば、7軒以上連なる模型をいとも簡単に提案できる学生の手さばきにもマッタをかけ続け、時には私の怒号が飛び交いました。しかしその結果、NPOネットワークが持つ「小さな良さを見つけてみんなにどんどん紹介していく」という草の根活動のアプローチとの今後の接点を見いだせた、有意義なワークショップとなったのではないでしょうか。


Mon. 15. Sept. Final Jury 参加Jurors

横山俊祐 大阪市立大学主任教授Dean, from Georgia Tech.
古関 俊輔 古関建築設計事務所, from Shin Takamatsu
芦澤竜一 RAA RYUICHI ASHIZAWA ARCHITECTS&ASSOCIATES, from Tadao Ando
平沼コーキ Hs WorkShop-ASIA建築デザイン研究所, from AA FOA
畑中久美子 畑中久美子デザイン室, From 灰屋(はんや)づくりワークショップ
幸家大郎 幸家大郎建築研究所, from Cranbrook Academy of Art
ジン・ヨハネス Gin Johannes Studio, from AA Cedric Price



ジュリー後、打ち上げのタイ式バーベキューとトランス・ミュージックで徹夜明けの洗礼を受けた学生の中には、幸家大郎をもみくちゃにする場面もあったらしい。まさにおとなしすぎる今の大学生活よりも1歩も2歩もはっちゃけることができた「暗黙のめちゃくちゃさ」がセッティングされた、且つお洒落な(この点は食事メニュー等悔いが残る)ただいま青春まっただ中、「胸きゅんイベント」が建築合同ワークショプの神髄なのだ!


過去の建築合同ワークショップ 大阪市立大学、和歌山大学サイトのリンクです。

GinJohannes-Mapping作品 「漂流と圧縮と風化のプロセス」
ワークショップ期間中に製作。






All drawings and model are created by student in TKW2008-Architectural Alliance workshop in Japan.
Photography by Gin Johannes.



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