ロン・ヘロン 風の塔
富山まちのかおプロジェクト。
1993年竣工。
Photo by Gin Johannes!


エンリック・ミラーレス 想影橋展望台
富山まちのかおプロジェクト。
1993年竣工。
Photo by Gin Johannes!


ピーター・ソルター 井波彫刻総合会館
富山まちのかおプロジェクト。
1993年竣工。
Photo by Gin Johannes!




富山「まちのかお事業」プロジェクトで来日したロン・ヘロン、ピーター・ソルター、コーディネート役のトム・へネガン(東京芸大教授)の日本での実現作品群。
http://www.icc-toyama.jp/map/cate03.html




Folly:フォリーとは、直訳すると、無意味な構造体、馬鹿げた構造体、という意味である。実際ヨーロッパの歴史においてフォリーは、庭園に設置された休憩所や、パーゴラのような造作フレームを指していた。つまりそれぐらい古くから、小規模の実験建築として、主にファンクションを持たない特殊(この時代はアールヌーボー調の装飾的な「美輪明宏オーラの泉」のスタジオセット的な)構造体のことを言う。
ところがこのフォリーという言い方は、まさに80年代頃のデコンが、まだ建たなかった時代に、小規模スケールでパブリックアートのようなものに対して言われ始めた。いや実際のスケールは既にパブリックアート以上の大きさがあるものも出現し始めた。まさに建築的スケールの今後の発展を臭わせる構造体だ。つまり小規模の実験建築はすべてフォリーと呼んでしまってもいい。しかも、ファンクションを持つ必要がなくていい。ちょっとした休憩所のようなサイトに対する記号となるだけでよいのだ。


このページには富山まちのかおプロジェクトの中から実験建築的要素のあるプロジェクトを、あえてフォリーと呼んでしまった。ピーター・ウィルソンのNinja Houseのこまかな構造体が織りなす建築的コンテクストも、フォリーの代表作と言うならば、フォリーの実験的構造体のバリエーションは、作家によってまさに様々であることがわかるだろう。その多様性をまずは見て、吸収したうえで、「独自の特殊性」をやればいい。それがフォリーになる!


今回のワークショップでは、大規模スケールの建築は望まない。それは農村の活性化や、環境問題を考えるうえでも明らかだ。つまり基本的にNinja House=フォリーであるべきなのだ。しかし小規模の実験的要素を持った構造体に、何らかのNinjaコンセプトが欲しい。


例えば「環境問題を解決する装置=Ninja」と定義して設計をすすめてもよい。
或いは忍者資料館のなかから調べたことをもとに現代風にアレンジしてもよい。
基本的に特殊で面白いものなら何をやってもよい。
ただしどう特殊で、どう面白いのかを説明できなきゃダメ!あとNinjaの現代性についてのコンセプトも!


ガイダンスでも言いましたが、今年のワークショップは基本的には個人ワークです!
ユニットのテーマと、サイト決定に関しては、「フォリー・パーク」のような、個々の作家・作品が集まって独立点在型で主張しあうようなものでいいと思います。新たなコミュニティー形成を考えながら全体目標を掲げる、的なテーマ設定が見つかればいいのではないかと思います。
決して全体目標から自分のワークを決定しないように!各自それぞれの方向性がまずあってから全体コンセプトを決めるように。その際に個人の方向性が全体の方向性とあわない部分があっても、妥協をせずに、設計変更もしない。もっとひねって、更に面白くなっちゃうぐらいが望ましい。


Folly: フォリーとは、いまやフランク・ゲーリーやザハが普通に建つ時代においては、ふにゃふにゃ、ぐにょぐにょは当たり前。曲面建築の再パーツ化が進み、無意味な建築というよりは、笑っちゃうぐらいおかしな建築、おっちょこちょいの建築、建築が語りかけてくるみたいなことってありじゃないんですか?

現代のロボット工学がどんどんアニメ風のスキンをまとい、そのロボが実はアーキグラムの60年代の「建築ビジョン」を受け継いでいることを意識してみて。

Gin Johannes 2009. 8.20 midnight







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未来のアイデイアを育てる場 "Future Fruits Farm" By Gin Johannes